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◆歩いてわかる中央区ものしり百科「風流を知る」を理解する



※【 】は問題になりそうなキーワード



◆◆町入御能(おのう)
→役者をはやす声が飛び交う無礼講の一日

江戸幕府は、【大和猿楽四座】である【金春】・【金剛】・【宝生】・【観世】を保護した【豊臣秀吉】の制度を踏襲し、【能楽】の直接支配を続けた
→以来、この【四座】に【喜多流】を加えた【四座一流】が幕府の【式楽】と定められ、【将軍宣下(せんげ)】・【御婚礼】・【御元服】・【若君誕生】などの【慶事】では、【本丸御殿大広間前】の舞台で【能】を披露したといわれる
→こうした【慶事】や【正月の謡(うたい)初め】の式では、【御三家】や【諸大名】のほか、江戸市中のの【家主】や【五人組】も場内での【能楽】の【拝見】を許された
→これが【町入御能】で、約【5,000人】もの町人が午前と午後に分かれて【能】を鑑賞していた
→【午前の部】の者は、【夜明け前】から【大手門外】に集まり、【各町の印のついた旗】を立てて、たいそう賑やかな様子だった
→【明け六つ(午前6時頃)】に開門すると、【御目付方】の指図で門内に入るが、このとき【傘】を1本ずつ賜るのが慣例となっていた
→そして、舞台の脇に用意された【白州(しらす)】にゴザを敷いて鑑賞した
→江戸時代には、多くの【謡本(うたいぼん)】が発行され、【謡】の同行者が集う【謡講(うたいこう)】が盛んに開かれた
→おめでたい席のため、雨に備えて【傘】が1本、退場の際には【酒】と【菓子】が配られる
→町人たちは【将軍】が来ると【親玉】、姿の良い役者には【色男】・【日本一】と大声ではやし立てた
文政改正御江戸大絵図
「文政改正御江戸大絵図」 提供:中央区郷土天文館




◆◆隅田川舟遊
→隅田川に舟を浮かべて暑い夏を乗り切る

寛永年間(1624-1644)に【参勤交代制度】が確立すると、【隅田川の舟遊び】が本格化する
→江戸に参勤した【大名たち】は、大きな【屋形船】を造り、【隅田川】で涼をとった
→町人たちの【遊山船(ゆさんぶね)】の間をうろうろ漕ぎまわって【料理】や【酒】・【果物】などを販売する【うろうろ舟】まで現れた
→【其角】の句に【この人数 舟なればこそ 涼みかな】
→明暦3年(1657)の【明暦の大火(振袖火事)】で【舟遊び】も下火になるが、万治2年(1659)に【両国橋】が架けられると【納涼】はさらに活況となる
→そのうちに【花火】のようなものを売る舟が現れ、【花火】を船の【舳先】で披露して、客の興をひいた
名所江戸百景 両国橋大川ばた
「名所江戸百景 両国橋大川ばた」 提供:京橋図書館



◆◆両国の川開き
→20発の打ち上げ花火が隅田川花火大会に発展

享保17年(1732)は例を見ないほどの【凶作】で、しかも【疫病】の流行が重なって多くの死者を出した。
→事態を憂慮した【八代将軍徳川吉宗】は、翌享保17年(1732)、【悪病退散】と【死者の慰霊を祈願】する【水神祭】を【隅田川】で催した
→祭りの期間は、【旧暦の5月28日】から【8月28日】の【3ヵ月】とされた
→初日には【両国橋】のたもとの【舟宿】や【料亭】が費用を出し合い、幕府の許しを得て【川施餓鬼(かわせがき):死者の霊を供養する会】を行って花火を打ち上げた
→このときの花火師は【横山町】の【六代目鍵屋弥兵衛(やへえ)】で、打ち上げた花火は【20発】前後
→花火師には、【鍵屋】から独立した【両国吉川町】の【玉屋市郎兵衛(いちろうべえ)】が加わり、上流を【玉屋】、下流を【鍵屋】が担当
→天保14年(1843)、【玉屋】は【失火】により、【家名断絶】となる
→昭和23年(1948)、【第二次世界大戦】で中断していたが、再開
→昭和37年(1962)、【交通事情の悪化】により、中止
→昭和53年(1978)、【隅田川花火大会】として、復活し、かつて【両国橋のたもと】にあった【打ち上げ場所】は【上流】に移動し、第一会場【桜橋下流~言問橋上流】、第二会場【駒形橋下流~厩橋(うまやばし)上流】の2か所から、【2万発(江戸時代の約千倍)】が打ち上げられる
→平成12年(2000)、【鍵屋十五代目】に【天野安喜子(あきこ)】が襲名
名所江戸百景 両国花火
「名所江戸百景 両国花火」 提供:京橋図書館



◆◆茅場町薬師詣(もうで)
→茅商人の集住により発展した茅場町エリア

【江戸城の拡張工事】の際に、【海中】を埋め立て、【茅商人】を移住させ、【茅場町】ができた
→寛永年間(1624-1644)、【茅場町】域に、祭礼の際に【神輿(みこし)】が休憩する場所である【日枝神社の御旅所(おたびしょ):現在の摂社日枝神社】が建てられ、境内には【御旅所(おたびしょ)の別当時(べっとうじ)】として、【薬師堂(智泉院)】が建立された
→【薬師堂(智泉院)】の【本尊薬師如来像】は平安時代中期の【恵心僧都(源信)】の作で、【山王権現】の【本地仏(ほんちぶつ)】として、【御旅所(おたびしょ)】に安置され、【薬師堂(智泉院)】は【茅場町薬師】とも呼ばれた
→毎月【8日】と【12日】の縁日には【植木の市】が開かれ、【値引き交渉】が行われる名物市になった
→明治元年(1868)、【神仏分離令】により、【薬師堂(智泉院)】は【日枝神社】から独立し、現在地【日本橋茅場町1-5-13】に移転
→【本尊薬師如来像】は【廃仏棄釈(はいぶつきしゃく)】の影響もあり、【神奈川県川崎市】の【等覚院(とうがくいん)】に移された
→江戸時代の【茅場町】は【酒問屋】や【米問屋】が多かったが、現在は【証券会社関連ビル】が多い
永田馬場 山王御旅所 茅場町薬師堂
「永田馬場 山王御旅所 茅場町薬師堂」『江戸名所図会』 提供:郷土天文館



◆◆魚河岸の初売り
→正月2日の初売りは押すな押すなの大混雑

魚市場の店員は、大晦日から元旦の早朝まで、【勘定取り】に走り回り、その後、【恵方参り(現在の初詣の原型)や【芝居見物】に行っても、夕刻には【初売り】の準備のために店に戻った
→元旦の夜になると、魚河岸の各店は店先に【定紋付きの高張提灯】、軒端(のきば)に【屋号を記した長提灯】を隙間なく吊るした
→そして、【昼間をあざむく】とまで言われた明るさの中に、商売物を入れた【盤台(楕円のたらい)】を積み重ね、【板舟(いたぶね)】にはずらりと魚介類を並べた
→【初売り】は【正月2日の0時】にはじまり、【一文獅子(いちもんじし)】と呼ばれる【獅子舞】も入り込む
→店側は【手ぬぐい】を祝儀として、常連客に持たせた
日本橋魚市場水神祭之図
「日本橋魚市場水神祭之図」 提供:京橋図書館



◆◆江戸歌舞伎 顔見世興行
→江戸っ子を熱狂させた歌舞伎の世界の正月

正徳4年(1714)、【絵島生島事件】で【山村座】が取り潰しになると、幕府公認の【芝居小屋】は【堺町の中村座】・【葺屋町の市村座】・【木挽町の森田座】となり、【江戸三座】と呼ばれた
→天保13年(1842)、【天保の改革】により【江戸三座】が【浅草猿若町】に移転
→江戸時代の歌舞伎興行では【劇場】と【歌舞伎役者】の雇用関係は【1年】更新だった
→興行主の【座元(ざもと)】が【座組(一座の顔ぶれ)】を決めたが、人気俳優は【江戸三座】で集まり【くじ引き】で決めた
→毎年【11月】に【顔見世興行】が行われ、向こう1年の【新しい座組】の俳優を披露、俳優の顔を見せることから【顔見世】という呼称になった
→興行初日となる【11月1日】は、ファンが【芝居小屋】に詰めかけ、【十月晦日 夜があけろ 夜があけろ】の川柳が有名
→この【顔見世興行】の際には、【官許(かんきょ)】の【芝居小屋】の象徴であった【櫓(やぐら)】が、【歌舞伎座】正面の【破風】の上に据えられる



◆◆べったら市
→威勢のよい掛け声が客を引きつける名物市

江戸時代、【10月20日】に、【寳田恵比須神社(大伝馬町)】の門前で、【恵比須講】が開かれた
→【恵比須講】は商業・農業の神様である【恵比須様】をまつる行事で、【神像】や【打ち出の小槌】・【懸鯛(かけだい)】・【切山椒(きりざんしょ)】などの縁起物を供えて【商売繁盛】を祈願した
→前日の【19日】には、供え物を売る【市】が立ち、【べったら漬け】という、浅く塩漬けした【大根】を【米こうじ】の床に本漬けしたものが売られ始めた
→十五代将軍【徳川慶喜】も【べったら漬け】を好んだ
→現在でも、【日本橋恵比須講べったら市】として受け継がれ、【10月19・20日】の2日間、【寳田恵比須神社】から【椙森神社】にかかる一帯に数百軒の【露店】が連なる
べったら市
べったら市



◆◆佃島の盆踊り
→口説き唄に合わせて静かに踊る夏の風物詩

毎年【7月のお盆】の時期、【佃一丁目】付近で【盆踊り】が開催される
→明暦3年(1657)、【明暦の大火(振袖火事)】で焼失した【西本願寺(現在の築地本願寺)】の再建のため、海を埋め立て【佃島】を造成
→延宝8年(1680)、本堂を含む寺院の工事が完成した【盂蘭盆会(うらぼんえ)】で行われた【盆踊り】が起源とされる
→古くは【踊り手】が行列を組み、【日本橋】や【京橋】一帯を踊りまわった
→天保13年(1842)、【天保の改革】により、江戸市中で踊るのが禁止され、【佃島】の中だけで踊るようになる
→特徴としては、【単調なリズム】の【櫓太鼓】と、【念仏】のような【口説き唄】に合わせてゆっくり静かに踊るところ
→【盆踊り唄】には【秋の野分は無常の風よ、散れば残らず皆土となる、悟り開けば草木も国土、仏頼めよ南無阿弥陀仏】といった歌詞もあり、【哀愁】と【無常観】を漂わせている
→この【盆踊り】は【無形の民俗文化財】、【東京都指定無形民俗文化財(民俗芸能)】に指定されている
佃島の盆踊り
佃島の盆踊り



 

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